高校における情報教育とは?

これに一言で返してみようって、飲み会の席で話題になって。
難しいね~って空気が漂ってて、自分の中での答えを言い出せなかった。

私の中での情報教育とは、
「情報格差をなくすこと」

もしくは、その格差を可能な限り取り除くこと、かな。

世間様はディジタルディバイドについて関心がなさ過ぎる。
私の原点は、全部この「情報格差」に根付いている気がします。

世界を変えるんジャー!!!!!!(クチだけ

続・教育実習生

引き続き教育実習生の回です。
いよいよ、明日が研究授業です。
実習期間は2週間。

1週間目は保護者面談期間により授業削減。
2週間目は県民の日で金曜日削減。

授業の半分以上が削られているという鬼のようなスケジュールの中、なんとか必死に準備をし、明日に望むわけですが。

そんなときふと思うのです。

私の実習はどうだったかなあ、と。
ふと、今なお現役であらせられる(当時、私の)指導教官お二人に、ご挨拶に行きたくなりました。
その節は本当にありがとうございました、と。(達観

なにはともあれ、ガンバレ実習生。

情報モラル「炎上」という言葉

現在教育実習中でして、授業は実習生が行っております。
ということで引き続き、教育実習生回です。


今日も今日とて、授業作りをしていたのですが。

本校が採択している教科書には「炎上」という言葉が載っています。
説明文が突っ込みどころ満載でしたので、詳しくは省きますが。

実はこの「炎上」という言葉、教育現場で使うには少し難しいんですよね。
いやネットスラングの1つとして、担当者が小話程度にやるのは構わないんですが、
今回のように「指導案にのせる」となると話が変わってくるのかなと。

だって、まず学習指導要領にはそんな言葉のってないし。
どころか、他社の教科書には「炎上」とは記載されてないし。
※現象の説明は乗ってます。
※一部副教材には「炎上」という言葉で乗っています。

というのも、そもそもがスラングですから言葉の定義が難しいのかなと。

ある程度の出来であれば問題ないんですが・・・

ウチの教科書に載っていた説明文は来年の採択を検討するレベルでダメでした。
(論争=炎上みたいなことが書いてありました。気持ちはわかるけどさあ・・・)


話が少し変わりますが、ネット界隈に「炎上 授業」で検索をかけると、
学校現場で炎上防止策を教える事は出来るのか? なんて記事を多々見かけました。
完全に防ぐことは出来なくても、炎上に対する心構え位は教えてますよ。ちゃんと。
まったくもう!


結局、実習生は明日が初回授業なのですが、略案は完成しませんでした。
今晩あたりにうーんと悩んで切り口を整理してもらえればと思います。
ポイントは、

情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」を教える事。

適正じゃない活動ってなに?
何でダメなの?

そこらへんをじっくり考えてもらえれば、大丈夫かなと思うんですが・・・。

頑張れ実習生!
明日が楽しみです。

教育実習生と考える「授業の作り方」

先日お伝えした教育実習生がやってきました。

「教員採用試験を受ける」という事なので、とても凄く真面目に指導しています。

と、いうことで。
「授業の略案作っといて」とか言いつつ、実習生を放置して保護者面談に向かう私。
(放置される実習生。)

2時間程して様子を見に戻ると、手が止まっておりました。

曰く、

1.思っていた情報の授業と違う(ワードやエクセルなどの実習だと思っていた
2.何を伝えればよいのかわからない
3.座学の授業(情報モラル)を、どう展開すればよいのやら・・・


ということで、私なりの「授業の作り方」を教えてみましたのでご報告いたします。
といっても大したことは言っていない。
よく言われるのが、

1.目的をもって
2.手段を考える

だと思うんですよね。

で、この「目的を知る」のが大変重要だと伝えました。

じゃあどうやって知るの? 「情報モラルの目的」って何?
ココで手が止まるんだよなあ、と。
そこで伝えたい。声を大にして言いたい。

学習指導要領を読め そして 文科省の話を聞け

と。

いやぶっちゃけ、教科で指導すべき内容の99%は学習指導要領でカバーできるはずなんです。学習指導要領にのっとって授業するんだから、100%の根拠がそこにあるはずなんです。
と、いう事で一緒に読んでみました。
学習指導要領と、文科省の話。

参考:
ttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/gijigaiyou/attach/1259396.htm
ttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1249674.htm


以下、私=A 実習生=実 の会話。(一部加工済)

A「情報モラルってなんて書いてある?」

実「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度 ですか?」

A「正解! じゃあ、 情報社会で適正な活動って何だと思う?」

実「え・・・」

A「難しく考えなくてOK。 じゃあ、適正じゃない行動って何よ?」

実「人の写真をSNSにUPしたりですか? 個人情報を広めたり?」

A「良いねえ。 ちなみに何でダメなの?別に良くない?UPしても。」

実「特定とか・・・まずいんじゃないですか?」

A「何で?便利じゃん。 あいつどこに住んでるんだろう、あいつ誰だろう? すぐわかるじゃん!」

実「・・・」

A「今の会話と、君がなんとなく理解している考えに、情報モラルの答えが隠されているんだよ」

ちょっと、延々と続きそうなので端折ります。
結論として、

1.我々は「情報社会で適正な活動」というのをなんとなく理解している。
2.じゃあ、適正かどうかの判断ってどうやってしてるんだろうね?
3.それが、「考え方と態度」に相当するね。
4.「情報モラル」の範囲では、それを生徒に伝えるのが、君の役目だ。

という話をしました。

指導要領を読み直します。ぜーんぶ学習指導要領(もしくは解説編)に書いてある。

あとはその、「考え方と態度」が細分化されていて、

「情報化が社会に及ぼす影響と課題」では、情報技術の発展により、情報を扱う時の考え方が変わってきている事。(消えない・拡散する)

「情報セキュリティの確保」では、個人認証や暗号化などの技術的対策がとても重要になってきている事。SSL対応や情報の漏えい。

「情報社会における法と個人の責任」では、「適正とは何か」などを考える際の基盤となる法律に関する内容や、責任に対して。

などなど。あげればきりがないですが、それでもぜーんぶ学習指導要領(もしくは解説編)に書いてあるから何度でも読み直しましょう。


情報モラルって色んなアプローチが出来て面白い範囲だなあとつくづく思います。

何でダメなの?討論会でもいいし、
現実のモラルや法律がそのままネット上でも通用するよね? 的な展開でもいいし
事例を出して、どう思った? とかでもいいし。

「選択肢がありすぎて悩む」 のは全然OKだと思う。
「何をすればいいのかわからない」 のは、とてもとても悲しい事だと思う。

頑張れ実習生!誰もが通る道だ!!!!!!!
あと私に時間をください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1

※時間のないサイト運営者同盟に加入しました。

社会と情報 第6回(Exif/リテラシーの重要性)

スマホから撮影した画像に追加されるExif情報について実演した回です。
※高校生に、画像をなんでもかんでもネットにUPするのは危ないよって教える回
※つまりはリテラシーは大事だよって伝える回


【用意するもの】

1.適当な画像 (近場で2枚あると良い)
2.Exif情報の表示ツール (今回はExifReader)
3.GPS情報とMAPの関連付けツール (今回は画像位置情報取得ツール)

【ExifReader】
ttp://www.rysys.co.jp/exifreader/jp/

【画像位置情報取得ツール】
ttp://www.osadasoft.com/software/getgpsinfo/


【導入】
スマートフォンのGPS機能について説明しておく。

「君たちの持っているスマホは、センサーの集合体」
「私生活の様々な記録が保存されている」
「どれくらい知っているかな?」

なんて質問をしながら、Androidならこんなのもあるよね、と
ロケーション記録」を提示します。
※Androidで記録をOFFにしていない人はGoogleにバッチリ記録されてます。

こんな感じで私の記録を公開しています。


この時点で大体、「オォ・・・ォ・・・」みたいな反応を引き出せるのですが、
本番はここから。

GPSをはじめとして色々なセンサーが含まれているこのスマートフォン。
君たちは普段どんなことに使っている?
コミュニケーション?カメラ?
あ、カメラかぁ・・・Exif情報って知ってる?知らない?
じゃあ・・・、見てみよう!

私は3つの画像を提示しています。(公開用に雑修正)

※「1」は私の家のデスク 「2」は職場の私のデスク
 「3」は以前、生徒が教室で撮影してネットにUPしていた画像

それぞれの写真について説明をした後に、

この画像データって、実は画像だけじゃないんだよ。
Exif情報っていうデータが隠されているの。
解析ソフトを使って、読み込んでみるね。

なんて話しながら、ExifReaderで読み込んだ画面がコチラ。(編集済)

これを、GPS情報に特化したツールで表示する

で、拡大する。

更に、航空写真で表示してみる。※GPSの精度が高く、教室まで特定できます。

こんな流れで特定の実演をした後に

「私が準備室で撮影した画像と、生徒が撮影した画像で場所が違うね?」
「何階のどの部屋で、何時何分に撮影したかもわかっちゃうね?」
「君たちが持っている機械は、こういう機械なんだ」
「学校が写真をアップロードしないでって言うのは、いろいろな理由があるけれど」
「情報科としては、情報技術に対する正しい理解とリテラシーの重要性を訴えたい」
「君たちは、どう思ったかな?」

時間によっては、この後無料アプリの仕組みや、
インストールするときの同意画面について触れつつ、

「止めろと言うのではない、怖がれというのでもない。」
「正しく理解した上で、有効に使ってほしい」

なんて言って、授業を締めています。

授業終了後の反応としては、
「面白かった」 「怖かった」
「気をつけよう」「困ったら相談しよう」
など、わりかし成功かなと思える反応が多いです。

長くなりましたので今日はここまで。

社会と情報 第4回,第5回(電子商取引の種類・Exif・発展する情報システム)

共通教科情報は全く更新が追いついて無くて・・・。
記憶が曖昧になってしまったので覚えている限り更新を。
マズイ。※2回に分けます。全体説明とExif実演の詳細について。


先に資料を公開しておきます。pptxがgoogleと相性悪くて、ほぼ作り直し。
適当クオリティですんで雰囲気だけ感じ取れれば・・・。


第4~5回では、
電子商取引の種類としてB2B,B2C,C2Cについて触れました。
「例えばどんな物があるかな?」という発問をすると
「メルカリ!」と「amazon!」の2強でしたね。

最近の高校生御用達なんでしょう。一昔前なら、楽天やヤフオクも出てきたもんですが、
最近はめっきりです・・・。

私は毎年、大体ここらの範囲でスマホのGPS機能とExif情報に触れ、
写真のアップロードは気をつけて~といった内容を挟んでいますので次回ご紹介。

Exif情報の説明をした後に、
ユビキタスネットワークでうんぬんかんぬん。
電子決済がうんぬんかんぬん。
と説明しつつ、時間によってはここで最新の情報システム事情として、VRやARの話も交えています。

大分内容を端折ってしまいました。次回はExif情報について。

課題研究 テーマ決め

すっかり更新していませんでした。課題研究について。
というか、メモしようが無い気もしますが・・・。

課題研究では、
1.企画書を書いて、
2.計画を立案して、
3.PDCA回して、
4.1年間でどれだけ完成に近づけるか

という内容をやっております。

3年生を対象に実施しておりまして。
情報コースの生徒が本校でどれだけの能力を身につけたのか。
それがしっかりわかる内容になっているので、教員側も内心ヒヤヒヤしています。
私の授業は大丈夫だったのか。伝えたいことは伝えられていたのか、なんてのも丸わかりですからね・・・。

簡単にジャンル別で集計したところ、初動では下記の内容でそれぞれが取り組んでいます。
もうちょっと面白い内容があっても良いもんですが、それもまたオイオイ。


課題研究:初期テーマ決め ジャンル別集計

1.webプログラミング
(chat)

2.VR/AR
(ARフィギュア・関節で動かす)
(VR動画)

3.動画・アニメーション
(AnimeEffects)
(cherry・moviemaker・photoshop)
(plafla)
(パラパラ漫画 手法未定)
(flashアニメーション・絵本)
(adobe)
(無声映画の作成)
(2DCGアニメーション)
(プロジェクションマッピング)

4.DTM
(remixを中心)
(ボーカル音声ソフト)

5.プログラミング
(ゲーム・unity)
(ゲーム・環境未定)
(シューティング・言語未定)
(JAVAでCHAT)
(Scratch・クイズゲーム)
(ゲーム・CLICKTEAM)
(人生ゲーム・言語未定)
(パックマン風ゲーム)
(ホラーゲーム スマホ風)

6.3D
(3Dモデルの作成・blender)
(MMD動画・モーションの作成)
(3Dモデルの作成と制御)

7.グラフィック
(絵を描く・手法未定)
(2Dキャラクターの作成)
(写真の撮影と加工)
8.AI
(応答キャラクターの作成)

9.他
(エフェクト効果の作成)


足らない機材や、学校のPCでは動かないソフト(unityは厳しそう)もある中で、
彼らがどう試行錯誤するのか楽しみです。

情報テクノロジー 第10回 スイッチを使おう(3)完結編

最後のダメ押しで、
1.理解していて、発展課題に取り組む組
2.再度説明が必要で、復習課題に取り組む組

に分けて実施しました。次回からは少人数で、様々なテーマでPDCA回しながら開発をさせてみたいと思います。
※実はテーマとして、肢体不自由など特別支援系のユーザーにとって、使いやすいデバイス開発 という物があります。
※パラリンピックにも掛けさせて貰って、特別支援学校と連携しながら進めたいなって。形になったら持って行こうかと。

以下原文


スイッチ最終回です。
次回からは、更に小さな班(2名程度)に分かれて、課題をクリアしていきましょう。

【最終課題】
Step3.歩道などに設置されている、押しボタン式の信号を作ってみよう。

フロー(流れ)
 赤→ ボタンを押す → 青(10秒) → 青点滅(1秒間隔で3回) → 赤
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提出物
完成したSTEPのソースコードの写真 と 映像
(STEP2も含めて提出しましょう)

※班員の番号を全員分、記載しておくこと。
————————————————————————————————————————————————-
参考資料

【前回のSTEP2:プログラムの場合】
void setup() {
pinMode(7,INPUT) ; //スイッチに接続ピンをデジタル入力に設定
pinMode(13,OUTPUT) ; //LEDに接続ピンをデジタル出力に設定
}

void loop() {
if (digitalRead(7) == HIGH) { //スイッチの状態を調べる

//スイッチON
//5回繰り返し
digitalWrite(13,HIGH) ; //LEDを点灯
delay(500)
digitalWrite(13,LOW) ; //LEDを消灯
delay(500)
//5回繰り返し
digitalWrite(13,HIGH) ; //LEDを点灯
delay(500)
digitalWrite(13,LOW) ; //LEDを消灯
delay(500)
} else {
//スイッチOFF

digitalWrite(13,LOW) ; //LEDを消灯
}
}


あえてForやWhileは使っていません。
自分達の知識で、どこまでたどり着けるのかをはかっています。
提出された物を適当にピックアップ。なんだかんだ、出来てますね。

情報テクノロジー第9回  スイッチを使おう(2)

第8回では授業展開に失敗し、イマイチ教育的効果というか、
「学んだ」という手応えにかけるので再度実施しました。ゴメンよ生徒。

前回同様に班を変えた上で、班員の一部だけではなく、
全員が理解して取り組めるよう解説を入れました。

以下原文


・スイッチの動作を理解しよう。
・プログラムの意味を理解しよう。

2つをあわせて、下記の動作を実現しよう。

Step2.スイッチを押したら、LEDを5秒点滅させよう。
 (押していないときは光っていても、消えていても良い)

Step3.歩道に設置されている、押しボタン式の信号を作ってみよう。
フロー(流れ)
 赤→ ボタンを押す → 青(10秒) → 青点滅(1秒間隔で3回) → 赤

提出物
完成したSTEPのソースコードの写真 と 映像

参考資料

【前回のSTEP1:プログラムの場合】
void setup() {
pinMode(2,INPUT) ; //スイッチに接続ピンをデジタル入力に設定
pinMode(13,OUTPUT) ; //LEDに接続ピンをデジタル出力に設定
}
void loop() {
if (digitalRead(2) == HIGH) { //スイッチの状態を調べる
digitalWrite(13,HIGH) ; //スイッチが押されているならLEDを点灯
} else {
digitalWrite(13,LOW) ; //スイッチが押されていないならLEDを消灯
}
}

【スイッチの動作説明】
※添付画像参照
 タクトスイッチは4本のリード線(端子)が出ていますが、写真の様に足が出ている側面の方向同し(3と4)がボタンを押した場合につながります。

 押していない状態では(1と3)(2と4)がつながっています。

※(1と2)または(3と4)はつながっていない。
※実質的には、押すと全て(1,2,3,4)がつながります。


添付画像は他サイトの物を引用しましたんで、ここでは省略致します。
今回は解説したせいか、全員がスイッチの仕組みとプログラムを理解した上で取り組めていたようです。
以下提出動画の一部。


この、大人目線では本当に些細な気遣いが、授業ではいかに重要なのかを再度痛感させられました・・・。
もう!失敗は!しないんだから!!!!!

情報テクノロジー第8回  スイッチを使おう(1)

再度、班をシャッフルさせ、全員の理解度を確認しました。
内容としては、タクトスイッチとLEDの物理的な連動と、プログラムでの制御です。

以下原文


Step1.スイッチを押している時だけ、LEDを光らせよう
(プログラムで制御しなくても良い)

Step2.スイッチを押したら、LEDを5秒点滅させよう。
 (押していないときは光っていても、消えていても良い)

提出物

Step1.2のソースコードの写真 と 映像
Step3まで行った班は、それも提出すること。

参考資料
http://www.geocities.jp/zattouka/GarageHouse/micon/Arduino/SWtoLED/SWtoLED.htm
http://www.seminar.aizu.or.jp/1-arduino-switch/
など


STEP1では、接点さえ理解できれば豆電球を光らせる小学校の実験と同一です。
STEP2への布石だったのですが、問題の出し方が悪かったようで・・・「全滅」

何と一時間をコレで無駄にしてしまいました。
最後までヒントを渋った私も悪いのですが・・・思いつけるように誘導してあげればよかった・・・。

終了時にネタばらしをしたら、こぞって休み時間で完成させておりました。
抵抗など一切使わない状態ですが、一応提出物を添付しておきます。