情報Ⅰを1学年で学ぶ理由

お久しぶりです。
某所でアドレスを晒されてしまったので、いい加減何か更新せねばと投稿。
そろそろ日頃の授業実践なんかが貯まってきているので紹介していきたいところですが、まずは例によって暴走しておこうかと。

よくある質問:何で情報Iは1年生でやった方が良いの?

これは全国高等学校情報教育研究会、略して全高情研ではずーーーーーっと発信されてきた内容です。学習指導要領的な回答はそちらの資料を見た方が良いでしょう。
入試的な側面からもお答えできます。 特に進学校は気をつけた方が良いと思いますよ。情報Iが入試科目になるにあたって「高校3年生で履修するんじゃ受験に間に合いません」 そんな保護者からの連絡がいつきてもおかしくありません。


でも今日は!色々思うところがありまして!パッションで!暴走しようと思ったんです!!!!
ということで、私なりの回答です。

そもそも昨今、ディジタル化されてないものなんで無いんですよ。
情報はどの科目でも絶対に関わってきます。密接に関わる筈なんです。
文科省がよく言うように、情報は「読み書きそろばん」と同列なんです。使い勝手の良い「ツール」なんです。

他教科との連携について話がありましたね。いくらでも出来る筈なんです。というか、絶対にしたら楽しいんです。楽しい学びになると思うんです。
例えばですよ。全然他教科の知識が無い私が、勝手に語りますよ!?

国語
私は古典と組み合わせたいですね。(古典かな?)和歌ですよ、和歌。素晴らしい暗号だと思いました。情報の圧縮技術が見事です。
情報伝達に制限のあるなかで、如何に伝えるか、読み取るかの技術。
こゆーい、研究授業なんかで使いたいなら過去の世界を情報技術(VRやAR)でモデルに再現するのも良いかもしれません。
あとは、現在と過去の文章を見比べてどういった違いがあるのかとか。文法を形態素解析の側面から解明しても良いと思います。

数学
まず統計は外せませんよね。統計学びました、仕組みを知りました。
じゃあ実際に使ってみよう。データの収集や手の計算は大変だからコンピュータに任せよう(データは大きければ大きいほど良いでしょう?)
例えば私がやったのは、某H学園の先生に習ってフィッシャーの正確確率検定を持ち出しました。
参考URL:https://bellcurve.jp/statistics/course/23950.html

実際に数値をネットとスマホのアンケートで速攻集計して、関連性があるかどうかを見てみました。
統計的に有意といえるかどうか、とかね。
数値を集めてからは、Excelで求めても良いし、プログラミング(R)で求めても良いし、
面倒臭ければオンラインなどに用意されているツールを使ったって良いんです。
https://www.kisnet.or.jp/nappa/software/star/freq/2×2.htm
重要なのは、有意水準の話とその結果なんだから。

理科
音の伝達を波形にしてもよいし
色をRGBでの認識にして補色で遊んでも良いし残像や補色で遊んでも良いですよね!
https://apec.aichi-c.ed.jp/kyouka/rika/butsuri/2018/hadou/hosy/hosyoku.htm
人間が認識する「色」の仕組みに科学的に迫るチャンスじゃないですか。
虹のグラデーションを例に出しても良いのでは?!
生物や化学、物理地理、全ての例はちょっと大変なので割愛させて貰いますが、無限大でしょう?シミュレーションしたって楽しいと思いますよ。

社会
公民の情報モラルが最近のホットですよね!
情報モラルについてはここ数年研究していたのでちょっと語りたいんですが、流石に長すぎるので。。(割愛)
何で「公民」で扱うのかを考えると、本当に奥が深いというか、楽しいですよ。
SNSの使い方~なんて表面上だけの問題で終わらないで欲しいです。もう3歩ぐらい踏み込んで欲しい。
それこそ、「いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪について」まで例に挙げて欲しいレベルです。
http://www.moj.go.jp/content/001267498.pdf
これに関しては『Wizard Bible事件から考えるサイバーセキュリティ』(PEAKS)で少し語ったので興味がある人は是非…。
社会と情報モラル、情報に関する「犯罪」は密接に関係しているので、今後はどんどん重要度が増してくるはずなんですよね。
本来であれば情報科で教育すべき所なんですが、時間も限られている中でなかなか手が回らず…。

英語
英語に含まれる情報量と日本語に含まれる情報量の違いとか
普段使われる言語でどこまで削減されているのかとか
文字でのやりとりになるとイントネーションは削除されるわけですが、どうやってカバーしているのかとか。
(スラングや略称に触れても良いんじゃ無いですか!?)
そもそもコミュニケーションにおいて情報の送受信は言葉だけじゃなくて、どういったものがあるのかとかアプローチはいくらでもあると思うんですよね。

体育
競技における戦術を練るツールとして使っても良いと思いますし(フォーメーションとか、効率とか)
3Dモデルデータを用意しておいて動きの確認をしても良いと思います。可動域とか!
あとは試行錯誤やサイクルの繰り返しのなかで、反省点や課題を見つけるのに使っても良いですよね?
統計をとってもいい! 感覚であいつは上手い、あいつは点を入れる、とかじゃなくて
数値化したり、どんなシチュエーションで点が決まるのかとか。 やっぱり戦術戦略の話が相性良いのかもしれませんね?!

音楽
楽譜って素晴らしいですよね!楽器演奏のプログラミングだと良いと思います。
1つの曲をそのままPCに演奏させようと、音符で出力したとして、楽譜との長さの違いに驚愕するんじゃないかな。
最大効率のフローチャートで書かれてますよね、楽譜。現存する譜面の全てが、本当に素晴らしいと思います。

また、芸術からは少し離れてしまいますが、音の構造をコンピュータに再現させると科学的に理解が進むかもしれません。
その正確無比な音と、アナログで「色」のついた音とを比べたときに、何を感じ得る、読み取ることが出来るのか、なんて実践できたら幸せじゃ無いですか?!

美術
なんと言っても、アートとデザインですよね。
例えば絵画(?)であれば、CMYの色に関する知識から始まって、じゃあアートの分野とデザイン分野では色彩の使い分けにどんな違いがあるのかな?とか。
ディジタル化されているもの、ないしデザインとして制作されている「情報」的な側面のものと、
より人間の感性に訴えるような「芸術」的な側面のものと。
その差異を教えることが出来たら、「人間性」についてもっともっと迫れると思うんです。

書道
私だったらフォントの歴史に触れてみたいです!篆書とかいいですよね!
「書」として代々受け継がれてきたメディアとしての特性、その歴史を引き合いに
ディジタル化出来るところ、出来ないところ。すべきである所、すべきでは無い所に迫りたいです。
やっぱり芸術は奥が深い…。

家庭
私、家庭科だったらどうしてもシミュレーションや生活に関する「重み付け」とか、
そういった方面をオススメしたいんです。もっと色々あるとは思うんですが、様々な状況下における判断ツールとして情報を上手く使いこなせるようになって欲しい。
もちろん、調理実習などでアルゴリズムやフローチャートに触れても良いとは思うんですが…。


すみません、調子に乗りました。
でも、勢いだけでもこれだけ出るんです。

是非他教科の先生に見て頂きたい。
授業で教えた知識を、気軽に「使わせる」ことができたら、幸せになりませんか?
学びが楽しくなりそうじゃ、ありませんか!?

組みましょうよ。是非やらせて下さい。
任せて下さい、「情報の使い方」や「汎用コンピュータの使い勝手」は1年生の最序盤で履修します。
1年生で、情報をやらせてください。それで、3年間フルに連携しましょうよ!

なんて言ったって「汎用」コンピュータですよ。何でも出来ます。相性は最高です。情報は、「読み書きそろばん」に並ぶツールなんです。

もちろん他の側面もありますよ?
実験器具を安く買うとか、世の中でだまされないようにするとか、情報学的な側面はたくさんあります。

私が今、暴走してでもお伝えしたいのは。

気軽に知識を、試せる。使える。形に出来る。
それが当たり前の世の中にしていきませんか!?
それができるって、最高じゃないですか?
こんなに面白い科目、ないよ。全然他教科に負けないよ。情報は最高だよ。

っていう。ただそれだけのこと…。
乱文失礼。

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