情報の科学 プログラミング教育(前書き)

引越二段落目!
家具なりなんなりを新調し終わり、やっとこさ落ち付いてきました。

さて、情報の科学の2学期は、「問題の解決と処理手順の自動化」です。
※「モデル化とシミュレーション」を1学期の最後にやっております。
※そういえば、「問題解決の基本的な考え方」はじっくりやっていなくて、それがプログラミングを教える際の障害になっている気が・・・。


閑話休題
「問題の解決と処理手順の自動化」についてです。

1.問題の解法をアルゴリズムを用いて表現する方法を習得
2.コンピュータによる処理手順の自動実行の有用性

が大分類としてあって、要は適切なソフトウェアやプログラム言語を選択して機械化していこうという話。

現状の私では、「ただのプログラミングを教える授業」となり果てていて
正直反省しています。

この項は、様々な教科書を見ていても、いまいちしっくりこないんですよね。
指導要領には上記のように書かれているにもかかわらず、
sampleが計算に偏っていたり。
アルゴリズムはO(オーダー)に触れるか触れないかの距離感で、「野菜を効率的に切る手順」
だったり。

いやいいんですけど。作業量が伝われば。 でもしっくりこない。

という事で、ぶっちゃけ私も模索中です。
東京のN先生あたりが、いつか素敵な教科書(前例)を作ってくれると信じています。


という事で、今年のプログラミング教育(授業?)に関しては、過去の全てを投げ出しつつ
毎回模索しながらやってみようと思い、生徒たちの前で宣言してみました。
(※自分が担任のクラスなので。やりやすかろうと思いまして。)

余り貯めないように、書き綴っていけたらいいなと思っております。

社会と情報:ネットワーク

8月31日付で引っ越しまして。夏休みの終了と同時でして。
2学期をスタートさせつつ荷解きの作業に追われています。


さて、2学期の社会と情報は「ネットワーク」からのスタートです。
IPアドレスとドメインの対応なんかを教えていくわけですが、
今年は理論から入らずに、実際に「ネットワークを歩いてみよう」と称して、
IPアドレスを元にWWWを渡り歩いて貰いました。

とはいえ、無作為にIP指定するのはかなり難しいので、ここはセキュリティ意識の教育もかねて千葉県の地方公共団体系ページを教材にしました。
そう、我らが千葉県のWebページはIP直打ちでアクセス出来てしまうんです。
(それでいいのか千葉県)

例として、ドメインとIPの対応を親元のwww.pref.chiba.lg.jpで紹介します。

【ドメインでアクセス】
千葉県ホームページ https://www.pref.chiba.lg.jp/
【IPアドレスでアクセス】
千葉県ホームページ http://114.179.201.1/

※(実際に授業を行う際、本当にそれでいいのかと小一時間悩みました。セキュリティ意識・・・)

で、面白いことに千葉県は、こっからIPが続いていくんですね。面白がって良いのかどうかはさておいて。

千葉県ホームページ http://114.179.201.1/
千葉県防災ポータルサイト http://114.179.201.2/
千葉県-銚子市 http://114.179.201.3/
千葉県-市川市 http://114.179.201.4

(上から)
https://www.pref.chiba.lg.jp/
http://www.bousai.pref.chiba.lg.jp/portal/
http://www.city.choshi.chiba.jp/
http://www.city.ichikawa.lg.jp

とまあ、こんな感じです。
ちなみに市川市は正しいアドレスとして http://114.179.201.139/ が割り振られている様です。
※じゃあ114.179.201.4は何なんだよお化けなのかよ消し忘れなのかと

いやもう本当に、良い教材を提供して頂いて・・・。授業では軽く触れるに止めましたが、大丈夫か千葉県
※なお、サブドメインについては触れていません。

このように数値を進めながら。
厳密には違うけれども。

1.例えとして「114.179.201」という名前のビルがあってここは主に千葉県が使用している
2.そこにはいろんな部屋があって、1号室には千葉県が、2号室は防災ポータルサイト、3号室には銚子市が~
3.順番に訪ねていけばいつか自分の市町村が見つかるね?
4.よし探そう。適当に入力していっても良い。 気づいたことは共有しよう
(探し終えたのち)

5.すっごい大変だったねえ。これがネットワークの歩き方。現実世界で住所や郵便番号をもとに訪ねるように、ネットでは~
6.で、判りやすくした住所。これすなわちアドレス。

https://www.pref.chiba.lg.jp/ を逆に読むと、
(jp)日本の~
(lg)地方公共団体の~
(chiba)千葉という名前の~
(pref)県の~
(www)Webサービス

に、アクセス(尋ねようと)するって行為なんだよ!

みたいな説明をしています。
今回は45分授業というのもあり、ここで終わりました。
次回からIPドメインの逆引きやDNSを交えた詳しい仕組みに触れられたらなと。

※この後に、覚えている限りの市町村のIP<>ドメインの一覧を乗っけて置きます。

情報テクノロジー 作品紹介編 3~4

時間が空いてしまいました。
前回お伝えした通り、1学期の授業で出来たものを随時UPしていこうかと。
動画の提出(角度)に失敗していますが、まあ内容はわかるだろうという事で。


その3
「遮光センサーを利用して、暗い道などでは足元を照らす」 作品とのこと。
LEDの光量やセンサーの感度は特に気にしていません。
仕組みが出来ていればOKとしています。(構造理解・問題解決)


その4
「スイッチを押して人を呼ぶ」 作品とのこと。
「肢体不自由を始めとしたハンディキャップを抱えた人たちをターゲットに、IoTの側から目指す共生社会」(?)
私の中で確固たる説明が出来ていないのが問題ですが、なんにせよこのようなテーマで進めている内容なので、出来れば人感センサーとか、バリアフリーを目指して発展させてほしいと思わせる作品です。
どちらかというと、音にこだわっちゃったね・・・。いや問題ありませんけども!

情報テクノロジー 第11~14?回 1学期終わっちゃいました。(2)

引き続き、生徒たちの作品を紹介していきたいと思います。

続いては超音波センサー。
「目の見えない人が、何かに衝突する前に、音で知らせてくれる」ガジェットです。

今年のコンセプトは、
「肢体不自由など、特別支援を要する人をターゲットとしたガジェット開発」です。

距離や設置方法、その他いろいろと反省点は多いところですが、
PDCAのサイクル数によってはかなり良くなるんじゃないでしょうか?
期待しています。

情報テクノロジー 第11~14?回 1学期終わっちゃいました。

教育実習を始めとして、様々な諸事情により。
一切更新できずに一学期の内容を終えてしまいました・・・。
ナンテコッタイ。

せめて、生徒たちの作品を紹介していきたいと思います。(※あくまで紹介だけ)


1学期の成果物を提出せよ
「**センサー」を使って、「**を動かした」という成果物を提出せよ。


まずは「揺れたかどうかを視覚的に判断する」為のガジェットです。
まあ、言ったもん勝ちみたいなもんですが、昨今の情勢にマッチしたアイディアなんじゃないかなあと思っています。
よくよく見ると、画面に「揺れを検知しました」なんて出力してるあたりが細かいですね。

2学期からどのように発展するのか楽しみです。

社会と情報 教育実習生回(1/2 情報モラル)

更新が滞りまして申し訳ない。
教育実習って、大変なんだなあとボンヤリしてました。
私の実習を担当していただいた諸先生方、その節は本当にありがとうございました。


さて、情報モラルについてです。
本当は自分でやりたいところですが、ぐっと我慢しつつ実習生と。
先日もお伝えしましたが、この範囲で重要なのは
「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」を教える事だと考えています。

実際の授業では、「バカッター」を例にして、「悪口は良くないよね」、「炎上は良くないね」 と展開しました。

・・・もうちょっと踏み込ませたかった。完全に私の指導力不足でした。

従来の「モラル」を現実世界の物だと仮定して、
「ネット上だって一緒だよね」と教えるのは、個人的には「モラルの授業」だと思うんです。

「情報モラル」で教えるべきは、「従来との違い」も含まれるんじゃないかな。
LINEやらTwitterやらで起きる「解釈の齟齬」はコミュニケーションやデザインの話であって。

・情報は拡散される
・情報は記録される
・情報は改変される

あたりが容易であることに着目して指導したいなと。

例えばweb.archive.org等を利用して、
2002年や2003年頃の私の日記サイトなんかを表示しつつ、
一度出回った情報はどこかに記録されていて、消すことが非常に困難であることに触れるとか。


本記事の執筆中に、実際に私の日記を検索して、読み返しました。
昔からやってることが変わらず、(心が)痛い。

本日はここまで。

情報モラル「炎上」という言葉

現在教育実習中でして、授業は実習生が行っております。
ということで引き続き、教育実習生回です。


今日も今日とて、授業作りをしていたのですが。

本校が採択している教科書には「炎上」という言葉が載っています。
説明文が突っ込みどころ満載でしたので、詳しくは省きますが。

実はこの「炎上」という言葉、教育現場で使うには少し難しいんですよね。
いやネットスラングの1つとして、担当者が小話程度にやるのは構わないんですが、
今回のように「指導案にのせる」となると話が変わってくるのかなと。

だって、まず学習指導要領にはそんな言葉のってないし。
どころか、他社の教科書には「炎上」とは記載されてないし。
※現象の説明は乗ってます。
※一部副教材には「炎上」という言葉で乗っています。

というのも、そもそもがスラングですから言葉の定義が難しいのかなと。

ある程度の出来であれば問題ないんですが・・・

ウチの教科書に載っていた説明文は来年の採択を検討するレベルでダメでした。
(論争=炎上みたいなことが書いてありました。気持ちはわかるけどさあ・・・)


話が少し変わりますが、ネット界隈に「炎上 授業」で検索をかけると、
学校現場で炎上防止策を教える事は出来るのか? なんて記事を多々見かけました。
完全に防ぐことは出来なくても、炎上に対する心構え位は教えてますよ。ちゃんと。
まったくもう!


結局、実習生は明日が初回授業なのですが、略案は完成しませんでした。
今晩あたりにうーんと悩んで切り口を整理してもらえればと思います。
ポイントは、

情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」を教える事。

適正じゃない活動ってなに?
何でダメなの?

そこらへんをじっくり考えてもらえれば、大丈夫かなと思うんですが・・・。

頑張れ実習生!
明日が楽しみです。

教育実習生と考える「授業の作り方」

先日お伝えした教育実習生がやってきました。

「教員採用試験を受ける」という事なので、とても凄く真面目に指導しています。

と、いうことで。
「授業の略案作っといて」とか言いつつ、実習生を放置して保護者面談に向かう私。
(放置される実習生。)

2時間程して様子を見に戻ると、手が止まっておりました。

曰く、

1.思っていた情報の授業と違う(ワードやエクセルなどの実習だと思っていた
2.何を伝えればよいのかわからない
3.座学の授業(情報モラル)を、どう展開すればよいのやら・・・


ということで、私なりの「授業の作り方」を教えてみましたのでご報告いたします。
といっても大したことは言っていない。
よく言われるのが、

1.目的をもって
2.手段を考える

だと思うんですよね。

で、この「目的を知る」のが大変重要だと伝えました。

じゃあどうやって知るの? 「情報モラルの目的」って何?
ココで手が止まるんだよなあ、と。
そこで伝えたい。声を大にして言いたい。

学習指導要領を読め そして 文科省の話を聞け

と。

いやぶっちゃけ、教科で指導すべき内容の99%は学習指導要領でカバーできるはずなんです。学習指導要領にのっとって授業するんだから、100%の根拠がそこにあるはずなんです。
と、いう事で一緒に読んでみました。
学習指導要領と、文科省の話。

参考:
ttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/gijigaiyou/attach/1259396.htm
ttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1249674.htm


以下、私=A 実習生=実 の会話。(一部加工済)

A「情報モラルってなんて書いてある?」

実「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度 ですか?」

A「正解! じゃあ、 情報社会で適正な活動って何だと思う?」

実「え・・・」

A「難しく考えなくてOK。 じゃあ、適正じゃない行動って何よ?」

実「人の写真をSNSにUPしたりですか? 個人情報を広めたり?」

A「良いねえ。 ちなみに何でダメなの?別に良くない?UPしても。」

実「特定とか・・・まずいんじゃないですか?」

A「何で?便利じゃん。 あいつどこに住んでるんだろう、あいつ誰だろう? すぐわかるじゃん!」

実「・・・」

A「今の会話と、君がなんとなく理解している考えに、情報モラルの答えが隠されているんだよ」

ちょっと、延々と続きそうなので端折ります。
結論として、

1.我々は「情報社会で適正な活動」というのをなんとなく理解している。
2.じゃあ、適正かどうかの判断ってどうやってしてるんだろうね?
3.それが、「考え方と態度」に相当するね。
4.「情報モラル」の範囲では、それを生徒に伝えるのが、君の役目だ。

という話をしました。

指導要領を読み直します。ぜーんぶ学習指導要領(もしくは解説編)に書いてある。

あとはその、「考え方と態度」が細分化されていて、

「情報化が社会に及ぼす影響と課題」では、情報技術の発展により、情報を扱う時の考え方が変わってきている事。(消えない・拡散する)

「情報セキュリティの確保」では、個人認証や暗号化などの技術的対策がとても重要になってきている事。SSL対応や情報の漏えい。

「情報社会における法と個人の責任」では、「適正とは何か」などを考える際の基盤となる法律に関する内容や、責任に対して。

などなど。あげればきりがないですが、それでもぜーんぶ学習指導要領(もしくは解説編)に書いてあるから何度でも読み直しましょう。


情報モラルって色んなアプローチが出来て面白い範囲だなあとつくづく思います。

何でダメなの?討論会でもいいし、
現実のモラルや法律がそのままネット上でも通用するよね? 的な展開でもいいし
事例を出して、どう思った? とかでもいいし。

「選択肢がありすぎて悩む」 のは全然OKだと思う。
「何をすればいいのかわからない」 のは、とてもとても悲しい事だと思う。

頑張れ実習生!誰もが通る道だ!!!!!!!
あと私に時間をください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1

※時間のないサイト運営者同盟に加入しました。

社会と情報 第6回(Exif/リテラシーの重要性)

スマホから撮影した画像に追加されるExif情報について実演した回です。
※高校生に、画像をなんでもかんでもネットにUPするのは危ないよって教える回
※つまりはリテラシーは大事だよって伝える回


【用意するもの】

1.適当な画像 (近場で2枚あると良い)
2.Exif情報の表示ツール (今回はExifReader)
3.GPS情報とMAPの関連付けツール (今回は画像位置情報取得ツール)

【ExifReader】
ttp://www.rysys.co.jp/exifreader/jp/

【画像位置情報取得ツール】
ttp://www.osadasoft.com/software/getgpsinfo/


【導入】
スマートフォンのGPS機能について説明しておく。

「君たちの持っているスマホは、センサーの集合体」
「私生活の様々な記録が保存されている」
「どれくらい知っているかな?」

なんて質問をしながら、Androidならこんなのもあるよね、と
ロケーション記録」を提示します。
※Androidで記録をOFFにしていない人はGoogleにバッチリ記録されてます。

こんな感じで私の記録を公開しています。


この時点で大体、「オォ・・・ォ・・・」みたいな反応を引き出せるのですが、
本番はここから。

GPSをはじめとして色々なセンサーが含まれているこのスマートフォン。
君たちは普段どんなことに使っている?
コミュニケーション?カメラ?
あ、カメラかぁ・・・Exif情報って知ってる?知らない?
じゃあ・・・、見てみよう!

私は3つの画像を提示しています。(公開用に雑修正)

※「1」は私の家のデスク 「2」は職場の私のデスク
 「3」は以前、生徒が教室で撮影してネットにUPしていた画像

それぞれの写真について説明をした後に、

この画像データって、実は画像だけじゃないんだよ。
Exif情報っていうデータが隠されているの。
解析ソフトを使って、読み込んでみるね。

なんて話しながら、ExifReaderで読み込んだ画面がコチラ。(編集済)

これを、GPS情報に特化したツールで表示する

で、拡大する。

更に、航空写真で表示してみる。※GPSの精度が高く、教室まで特定できます。

こんな流れで特定の実演をした後に

「私が準備室で撮影した画像と、生徒が撮影した画像で場所が違うね?」
「何階のどの部屋で、何時何分に撮影したかもわかっちゃうね?」
「君たちが持っている機械は、こういう機械なんだ」
「学校が写真をアップロードしないでって言うのは、いろいろな理由があるけれど」
「情報科としては、情報技術に対する正しい理解とリテラシーの重要性を訴えたい」
「君たちは、どう思ったかな?」

時間によっては、この後無料アプリの仕組みや、
インストールするときの同意画面について触れつつ、

「止めろと言うのではない、怖がれというのでもない。」
「正しく理解した上で、有効に使ってほしい」

なんて言って、授業を締めています。

授業終了後の反応としては、
「面白かった」 「怖かった」
「気をつけよう」「困ったら相談しよう」
など、わりかし成功かなと思える反応が多いです。

長くなりましたので今日はここまで。

社会と情報 第4回,第5回(電子商取引の種類・Exif・発展する情報システム)

共通教科情報は全く更新が追いついて無くて・・・。
記憶が曖昧になってしまったので覚えている限り更新を。
マズイ。※2回に分けます。全体説明とExif実演の詳細について。


先に資料を公開しておきます。pptxがgoogleと相性悪くて、ほぼ作り直し。
適当クオリティですんで雰囲気だけ感じ取れれば・・・。


第4~5回では、
電子商取引の種類としてB2B,B2C,C2Cについて触れました。
「例えばどんな物があるかな?」という発問をすると
「メルカリ!」と「amazon!」の2強でしたね。

最近の高校生御用達なんでしょう。一昔前なら、楽天やヤフオクも出てきたもんですが、
最近はめっきりです・・・。

私は毎年、大体ここらの範囲でスマホのGPS機能とExif情報に触れ、
写真のアップロードは気をつけて~といった内容を挟んでいますので次回ご紹介。

Exif情報の説明をした後に、
ユビキタスネットワークでうんぬんかんぬん。
電子決済がうんぬんかんぬん。
と説明しつつ、時間によってはここで最新の情報システム事情として、VRやARの話も交えています。

大分内容を端折ってしまいました。次回はExif情報について。